灯すための装置 / The Reluming Apparatus
© Satoshi Nagare
灯すための装置
2020 / 4'00" / spatial animation with 2 projector-mounted robots
個人的な記憶に基づく短編アニメーションを、小型のレーザープロジェクターとロボットを用いることによって、新たな形式による上映を試みた。2台のロボットは、部屋をあちこち行き交いながら揺らめき、像を投影する。映像のタイミングに合わせて、ロボットが動き出す。白線の手描きのアニメーションは、プロジェクターの特性からぼうっと壁面に浮かび上がり、振付のごとく振る舞う。ぼけては動き、電池が絶えるまで灯し続けるぎこちない映像は、幻燈や写し絵を連想させ、メディア考古学的な観点も示唆する。これらの構造的、文脈的操作、そしてぎこちなさによって、鑑賞者の眼前にアニメーションが「いる」感覚をもたらすことを試みる。 投影されるアニメーションは、きわめて個人的な記憶に基づく内容であり、断片的なシーンのオムニバスによって構成される。そのため、ろうそくを消したシーンを見たと思いきや、次には突然ロボット同士がかくれんぼをする。いずれも一見無関係なシーンのように思えるが、「灯す」というキーワードに則って、それらの断片的なシーンは、ぶれながら、ぼけながら、緩やかに、一つの個人的なアニメーションとして繋がっていく。