
パウンドケーキと佐藤先生
2018 / 4'04" / single channel video
私が家族で北海道から東京に引越して以降、20年間メールと手紙で文通していた佐藤先生に電話をかけた。佐藤先生と直接声で話したのは、北海道にいた頃のみであるため、実に20年ぶりの対話となった。そしてこれが最期の電話となった。
電話がもたらすリアリティを増幅させるべく、佐藤先生との事前の話し合いは一切せず、ぶっつけ本番で佐藤先生の働く発達支援施設に電話をかけ、録音した。20年という時間が風化させていた佐藤先生の像が、声となって、くっきりと浮かび上がってきた。そしてそれは、20年前の私が記録された写真に、北海道の穏やかな空気を吹き込むかのような会話だった。その空気と佐藤先生の人柄が滲み出ている3分半の対話、そして現在の私が交錯するような映像を目指して編集した。